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新すまい考

尺度

 物を測るにはモノサシが在り、物の長さ、大きさを知ることができる。


 モノサシの歴史は古<、紀元前三千年の頃に石製の物差が使われていたとあり、お隣りの中国では紀元前二百年代に泰の始皇帝が度量衡(長さ・容積・重さの単位)を制定し、我が日本でも奈良時代に尺(曲尺)の標準器を諸国に頒布したとある。


 今日使われている「メートル法」は江戸寛政の頃にフランスで作られた単位系で、日本では明治十九年にこの条約に加入して、同二十六年にメートル法を基とした度量衡を制定したが、これはメートル原器に合せて、一尺を「三十三分の十メートル」と定儀付け、換算表をもって使用してきた。


 そして大正時代に改正度量衡を法として公布したが、メートル法が統一されたのは昭和三十四年と、実に七十余年の年月を経て、国際単位系を用いることとなった。


 それでは、私達の住いとこの単位がどの様に関連しているのだろうか、皆様のなかで「部屋が狭い、入ロ(鴨居)が低い」と感じられた方がおりませんか?


 建築の社会では今でも曲尺(三〇、三センチ)の単位が存在していて、一間を「一、八一八メートル(六尺)としている関東間、同じ一間でも六尺五寸としている京間の様に、地方によって、違いがあるのですが、現状の多くには経済優先のみで築られた「うさぎ小屋」と言われた間もあります。


 「起きて半帖、寝て一帖」と言葉にも有る様に、せめてこの範囲の空間くらいは、ゆとりをもって使って頂きたい。さすればウサギも又、月に住むことが出来るかもしれません。


 豊かさを住いに取入れるには、千年も昔の単位で物を造り、今日の経済で良し?!としていては所詮むりな話です。


 住いに合せる生活も有るが自身に合せた住いを創ることが大切ではないでしようか。


 可変動な空間が望まれている時代に、可変動な尺度が考案されても良いのではと思って見た。


カット・高倉瑳子

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